ラテン語の言葉:カデンツァ・ケース・デカダンス

スポンサーリンク

今回はcado、cadereというラテン語の動詞に関連した言葉です。もともとは「落ちる」「倒れる」という意味でしたが「死ぬ」「腐る」などの意味を持つようになりました。また「物事が発生する」の意味も持っています。こちらは日本語の「落ち合う」とか「落ち着く」などと近い感覚だと思われます。過去受動分詞はcasumです。

ケーデンス cadence

cadoの現在分詞cadensから来ていて意味は「落ちているもの」の意味です。歌や詩のリズムや抑揚の意味で使われます。音楽用語では曲の終止前のリズムや和声の動きを指します。

カデンツァ cadenza

cadenceのイタリア語です。こちらは音楽用語として日本語化しています。独唱曲や協奏曲のメインの歌手や楽器奏者が主に曲の終わりの方で伴奏を伴わず自由な即興演奏をすることを指しています。

場合 case

日本語には英語由来のケースという言葉が二つあります。どちらも同じスペル caseですが一つは「場合」、もう一つは「箱」と意味が違います。このうち前者はcadoの過去受動分詞から来ていて「発生した出来事」の意味になります。

ちなみに後者はフランス語のcasse 「トランク」「引き出し」が英語化したもので「カプセル」と同じ由来を持ちます。

アクシデント accident

接頭辞ad-「何かに向かって」がついた動詞accidoから来ています。接頭辞がつくと本動詞の母音は変化する事がありこの場合cedoがcidoになっています。accidentはaccidoの現在能動分詞accidensが英語化したもので「何かに向かって発生する出来事」の意味になります。

デカダンス decadence

道徳的な「退廃」を意味しています。特にフランスの19世紀末に流行した思想や芸術を指す事があります。もとは接頭辞de-がcadoについたものから来ています。接頭辞de-は「離れて」の意味を持ち全体で「離れて落ちる事」の意味になります。

解剖用死体 cadaver

これは日本語化していませんが英語では解剖に使う死体を指します。これもcadoに由来するラテン語の名詞cadaverから来ています。

スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。