ラテン語の名詞変化:第二変化形(2)

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第二変化形はカバーする語彙の範囲が広く前回の基本的な説明で書ききれなかった部分を追記しておきます。男性名詞の主格は-usで終わりますがそのうち-iusで終わるものは呼格単数が変わります。また男性名詞で主格と呼格は-erで終わるのですが他の変化は第二変化形の通りというものがあります。

ラテン語の名詞変化:第二変化形(1)

-iusで終わる男性名詞

男性名詞は-usで終わりますがその一つ前の文字がiである場合、つまり語尾が-iusの場合は呼格単数のみ通常と違う変化をします。fīlius, -ī, m.「息子」は呼格単数でfīliīとなります。古い形ではiīではなくīのものもあります。

通常 末尾が-ius
colōnus colōnī fīlius fīliī
colōne colōnī fīliī fīliī
colōnum colōnōs fīlium fīliōs
colōnī colōnōrum fīliī fīliōrum
colōnō colōnīs fīliō fīliīs
colōnō colōnīs fīliō fīliīs

この違いにより以下のことに注意が必要になります。

呼格単数と属格単数と主格呼格複数がが同じ

呼格が使われている箇所は通常のテキストでは意図的にカンマで区切られていたり、

o filii 

のように呼びかけのoがついていたりとわかるようになっていると思います。構文と関係なく独立していたら呼格を疑うと良いでしょう。

-iusで終わる単語は呼格で単数と複数が同じになってしまいますが呼びかける相手が一人なのか複数なのかは文脈から判断します。その前後の表現を考慮すれば判別がつくと思います。

主格複数についてはこれに対応する動詞の変化が単数か複数かで判断します。

-erで終わる男性名詞

主格単数の語尾が-erで終わるものでこの第二変化形に含まれるものがあります。主格呼格の単数は-erで終わりますが、他の変化形は主格単数の語尾があたかも-erusであったかのよう変化します。

ただし-erの前の文字が子音である場合は主格単数が-rusであったかのように変化します。puer, -ī, m. 「少年」とager, -ī, m.「畑」「土地」で変化を見ます。agerはerの前がgつまり子音で終わるため主格呼格の単数以外では語幹はagr-になります

通常 -erの前が子音
puer puerī ager agrī
puer puerī ager agrī
puerum puerōs agrum agrōs
puerī puerōrum agrī agrōrum
puerō puerīs agrō agrīs
puerō puerīs agrō agrīs

また少し形は違いますがvir, -ī, m.「男の人」もpuerと同じ変化をします。-irで終わるものはあまりありません。

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