ラテン語の副詞は形容詞のような格性数による変化をしません。ある種類の副詞には比較級と最上級がありますがこれらも変化はしません。
品質を表す形容詞から作られるもの
多くの副詞が品質を表す形容詞から作られています。日本語でいうと「良い」が「良く」、「美しい」が「美しく」といった形です。
第一第二変化の形容詞
語尾に-eをつけます。
- malus, -a, -um「悪い」 → male「悪く」
第三変化の形容詞
ほとんどの場合語尾に-terをつけます。
- fortis, -e 「勇敢な」 → fortiter「勇敢に」
- prudens, -tis 「慎重な」 → prudenter「慎重に」
少数ですが-eがつくものもあります。
- facilis, -e「容易な」 → facile「容易に」
名詞、形容詞、代名形容詞から作られるもの
名詞や形容詞
名詞や形容詞の変化形から来たものがあります。
- certus, -a, -um「確かな」 → certo「確かに」(奪格から)
- pars, -tis「部分」 → partim「部分的に」(対格から)
この-timによる名詞からの変化は配分を表す副詞をつくります。
- vir「男」「人間」 → viritim「一人当たり」
量を表す代名形容詞
量を表す代名形容詞の対格、属格、奪格の単数から作られます。
- primus, -a, -um 「最初の」 → primum, primo「最初に」
- multus, -a, -um「多数の」 → multum, multi, multo「たくさん」
- nihil「なにもない」 → mihil「なにもなく」
対格は動詞で表現される動作の量を表します。
Si tu me amas tantum quantum profecto amas…「君が私を確かに愛するのと同じくらい」
属格は動詞で行われる動作を評価します。
Id quanti aestimabat tanti vendidit. 「彼はそれを値踏みしたのと同じ価値でそれを売った」
奪格は比較に使われます。
Quanto erat in dies gravior … oppugnatio, tanto crebriores litterae … ad Caesarem mittebantur. 「包囲戦が日に日に深刻になるほどカエサルに届けられる文字の量は増えた」