ラテン語の名詞変化:第三変化形(1)

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名詞の第三変化形は変化に富んでいます。語幹のパターンが豊富なことに加え語尾変化にもバリエーションがあります。性については大きく男女共通のパターンと中性のパターンの二つに分かれます。今回は先に語尾変化の特徴を見ます。

第三変化形の特徴

男女共通 中性
-ēs -(i)a
-ēs -(i)a
-em -ēs -(i)a
-is -(i)um -is -(i)um
-ibus -ibus
-e -ibus -e / -i -ibus

このうち( )で括ってあるものはその文字が出現するケースとしないケースがあります。/で区切っているものはどちらかが出現することを意味しています。—はパターンが決まっていないものです。ただし男女共通の主格と呼格は常に同一、中性の主格呼格対格は常に同一です。

男女共通のバリエーション

次にいくつかパターンを見ていきます。

dux, -cis, m. 「指導者」のタイプ

辞書に載っている形で記載しています。この場合主格単数はduxで属格単数ducisの男性名詞という読み取りをします。m.は男性名詞、f.は女性名詞、n.は中性名詞です。また属格は語尾変化しかかかれないので主格から語幹をつくって変化させる必要があります。この場合「主格単数duxの末尾のxが属格語尾変化のcisに置き換わる」と読み取ります。

dux ducēs
dux ducēs
ducem ducēs
ducis ducum
ducī ducibus
duce ducibus

基本の語尾変化に忠実なケースです。属格複数がiumでなくumです。他にrex, regis, m. 「王」やegestās, -ātis, f. 「惨めさ」などがあります。

またこれらの主格は語幹に語尾変化-sがついてから変化したものです。

  • duc + s = ducs → dux
  • reg + s = regs  → rex
  • egestāt + s = egestāts → egestās

consul, -sulis, m. 「執政官」のタイプ

主格単数は語尾変化なしのパターンです。語幹の末尾が-lか-rになります。属格複数は-umです。

consul consulēs
consul consulēs
consulem consulēs
consulis consulum
consulī consulibus
consule consulibus

natiō, -ōnis, f. 「国家」のタイプ

上のconsulと似ていますが主格単数で語幹に含まれているはずの-n-が消失しています。属格複数は-umです。

natiō natiōnēs
natiō natiōnēs
natiōnem natiōnēs
natiōnis natiōnum
natiōnī natiōnibus
natiōne natiōnibus

ほかにoratiō, -ōnis, f. 「演説」などがあります。

まだ他のパターンがありますが次にします。

ラテン語の名詞変化:第三変化形(2)

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