ギリシア語の名詞変化:第二変化形(1)

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ギリシア語の名詞の第二変化形には-οςで終わる男性名詞と女性名詞、-ονで終わる中性名詞の単語があります。女性名詞は男性名詞と同じ変化ですが定冠詞のみが異なります。

変化形の一覧

男性名詞-ος
言葉
女性名詞-ος
中性名詞-ον
贈り物
ὁ λόγος ἡ ὁδός τὸ δῶρον
λόγε ὁδέ δῶρον
τὸν λόγον τὴν ὁδόν τὸ δῶον
τοῦ λόγου τῆς ὁδοῦ τοῦ δώρου
τῷ λόγ τῇ ὁδ τῷ δώρ
主・対・呼 τὼ λόγω τὼ ὁδώ τὼ δῶρω
属・与 τοῖν λόγοιν τοῖν ὁδοῖν τοῖν δώροιν
οἱ λόγοι αἱ ὁδοί τὰ δῶρα
λόγοι ὁδοί δῶρα
τοὺς λόγους τὰς ὁδούς τὰ δῶρα
τῶν λόγων τῶν ὁδῶν τῶν δώρων
τοῖς λόγοις ταῖς ὁδοῖς τοῖς δώροις

呼格男性の変化

一部の呼格男性は主格と同じになるものがあります。これは時代によっても異なることがあります。古典期のθεός「神」の呼格単数は主格単数と同じθεόςです。

複数形で男性と中性が混同するケース

単数と複数で性と意味が変わるものがあります。

  • ὁ σῖτος (単数)小麦、パン
  • τὰ σῖτα (複数)食料

また距離の単位τὸ στάδιον「スタディオン(約190m前後)」は単数では中性形ですが複数形はτὰ στάδια(中性複数)とοἱ στάδιοι(男性複数)の両方の記述が見つかっています。

与格複数の変化

第一変化形と同様に第二変化形も与格複数の語尾にはバリエーションがあります。紀元前5世紀ごろまでのアッティカ方言、ホメーロスの叙事詩や悲劇には-οισι, -οισινという変化が見られます。

ギリシア語の名詞変化:第一変化形(1)

中性名詞の直格

中性名詞の直格つまり主格、呼格、対格は単数複数それぞれで同形です。

男性名詞の属格単数

第二変化形の属格単数-ουは特徴ある語尾と考えられて、第一変化形の男性名詞もこれと同じ変化になっています。

ギリシア語の名詞変化:第一変化形(2)

アクセントについて

ギリシア語のアクセント(1)

主格単数が-οςで終わる男性名詞と女性名詞

およそ以下のケースのいずれかになります。

アクセントの種類 備考
oxytone ὁδός, ἀδελφός* ただし呼格はἄδελφε
paroxytone λόγος
proparoxytone ἄγγελος, ἄνθρωπος
properispomenon δῆμος, δοῦλος

主格単数が-ονで終わる中性名詞

およそ以下のケースのいずれかになります。

アクセントの種類 備考
paroxytone δένδρον
proparoxytone πρόσωπον
properispomenon δῶρον

よく知られている例外はᾠον「卵」, ζυγόν「くびき」、これらはoxytoneになります。他に-ίονで終わるいくつかの単語があります。

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