ラテン語の名詞変化:第一変化形

スポンサーリンク

ラテン語の名詞変化はほとんどのテキストの最初の方で扱われています。単数複数の2の数と6つの格の12の変化があります。ただ実際には同じものもあるので変化を覚えるだけでなく文脈で見極める技術も必要です。今回は第一変化形を扱います。

名詞の変化は英語でdeclension、フランス語でdéclinaisonと呼び動詞の変化はconjugationと呼びます。日本語での文法用語もdeclensionが傾斜するという意味があることから「曲折形」とも呼びます。

第一変化形の名詞

まれに男性名詞がありますがほとんどが女性名詞です。以下rosa, -ae, f.「ばら」の変化形です。辞書の見出しでは主格単数と属格単数の変化語尾と名詞の性が並べられます。m.は男性名詞、f.は女性名詞、n.は中性名詞です

rosa rosae
rosa rosae
rosam rosās
rosae rosārum
rosae rosīs
rosā rosīs

ここでは日本語で格の表記をしていますが、ラテン語のオンライン情報は英語のものが圧倒的に多いので文法用語も慣れておくのは有利です。以下参考にしてください。

文法の格:日本語でいう「てにをは」のこと

また男性名詞で見かけるのはnauta, -ae, m.「船乗り」とagricola, -ae, m.「農民」くらいと思われます。変化は女性名詞と変わりません。

第一変化形の特徴

以下変化語尾だけ抜き書きしました。詳しく見てましょう

-a -ae
-a -ae
-am -ās
-ae -ārum
-ae -īs
-īs

主格と呼格は単数と複数のそれぞれで同じ形

これは他の変化形でも同じことが言えます。ただ第二変化形のみ違うのですがこれはそのときに説明します。

主格と奪格の単数が似ている

一見したところ主格(と呼格)は奪格と同じに見えます。しかし奪格は語尾のāは長母音であるのに対して主格は短母音です。たいていのテキストでは長母音を表すマクロン(文字上の横棒)はかかれないので文脈で見極めが必要です。

属格と与格の単数、主格と呼格の複数は同じ

これらはすべて-aeという語尾が同じなので文脈から判断しなければいけません。ただ属格も与格も主格とは全く違う使われ方をするので慣れると目星がつけられると思います。

また他の変化形でaeで終わるものは存在しないのでこの語尾を見つけたら第一変化形の上記4つのどれかと考えて良いです。

対格単数の特徴

語尾がamで終わるものは対格単数である可能性が高いです。他には-bamで終わる一人称単数の不完全過去形の動詞がありますが頻度は低く見分けやすいと思います。

与格と奪格の複数が同じ

一般的には与格と奪格の複数は同じ形です。この二つも同じ形で文脈から判定する必要があります。登場頻度としては奪格のほうが高いので奪格から検証するのが良いと思います。

また-isという終わり方は第三変化形単数属格と同じなのでどちらか見極めるようにしてください。

スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。