ラテン語の動詞:直説法完了受動態

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完了語幹から作る受動態は2語で構成されます。過去受動分詞と活用したsum使います。過去受動分詞は性と数で変化するため主語の性と数に一致させるようにします。

変化の概要

sumは直説法現在の人称変化を使います。

 sum
一人称単数 sum
二人称単数 es
三人称単数 est
一人称複数 sumus
二人称複数 estis
三人称複数 sunt

過去受動分詞は性と数で変化します。格は主語と一致するので常に主格です。例えばamōの過去受動分詞はamatusですがこれは以下のように変化します。

 男性 女性
単数 amātus amāta
複数 amātī amātae

この組み合わせで以下のような文が作られます。

  • amatus est「彼は愛された」
  • amata est「彼女は愛された」
  • amatus sum「私(男性)は愛された」
  • amata sum「私(女性)は愛された」
  • amatī sunt「彼らは愛された」
  • amatae sunt「彼女たちは愛された」

複数の場合、男性だけあるいは男女混合の場合は男性複数を使い、女性だけの場合は女性複数を使います。

フランス語でも形容詞や受動態の過去分詞は性と数で変化するのでこれと非常によく似た形になります。

  • Je suis aimé .「私(男性)は愛されている」
  • Je suis aimée .「私(女性)は愛されている」
  • Nous sommes aimés . 「私たち(男性)は愛されている」
  • Nous sommes aimées . 「私たち(女性)は愛されている」

ただしフランス語の場合は現在の受動態なのでラテン語と同じ構文でも時制が異なることに注意してください。

過去受動分詞は現在語幹、完了語幹とは別な変化をするため辞書の見出しに含まれています。スピヌムという主格中性単数と同じ形になっているのが一般的です。

  • amō, amāre, amāvī, amātum

規則活用の動詞

以下の過去受動分詞は単数複数共に男性形です。

第一
愛する
第二
壊す
第三A
読む
第三B
取る
第四
聴く
一人称単数 amātus sum dēlētus sum lēctus sum captus sum audītus sum
二人称単数 amātus es dēlētus es lēctus es captus es audītus es
三人称単数 amātus est dēlētus est lēctus est captus est audītus est
一人称複数 amātī sumus dēlētī sumus lēctī sumus captī sumus audītī sumus
二人称複数 amātī estis dēlētī estis lēctī estis captī estis audītī estis
三人称複数 amātī sunt dēlētī sunt lēctī sunt captī sunt audītī sunt

現在語幹で不規則活用の動詞

ferō
行く 運ぶ
itus sum lātus sum
itus es lātus es
itus est lātua est
itī sumus lātī sumus
itī estis lātī estis
itī sunt lātī sunt

注意する点

sumとvolōについて

sumとvolōは受動態全般がありません。

eōやferōの過去受動分詞

eōとferōの過去受動分詞はそれぞれitusとlātusと現在語幹と全く異なります。 特にferōは完了語幹がtul-となっていて現在語幹、完了語幹、過去受動分詞すべての形が全く異なっているので注意が必要です。

eōの受動態は非人称表現に使われる三人称単数しか存在しません。

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