完了が現在の時点で完了しているのに対して過去完了は過去の時点で完了した動作を表します。「その時すでに〜し終わっていた」というような意味になります。通常は語り手が過去のことを話す中で出てくることがほとんどで単独で使われることはありません。
過去完了はラテン語でplus-quam-perfectumつまり「完了以上」という意味になります。フランス語ではplus que parfait、英語ではpluperfectと呼ばれます。
変化の概要
完了語幹に過去完了の接辞-era-が付きそのあとに人称語尾がきます。結果としてsumの直説法不完了と同じ形の語尾になります。現在と完了が同じ現在の時点で語られるのと同様に不完了と過去完了も同じ過去の時点で語られるので親和性が高いわけです。
過去完了 | sumの不完了 | |
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一人称単数 | -eram | eram |
二人称単数 | -erās | erās |
三人称単数 | -erat | erat |
一人称複数 | -erāmus | erāmus |
二人称複数 | -erātis | erātis |
三人称複数 | -erant | erant |
規則活用の動詞
第一 愛する |
第二 壊す |
第三A 読む |
第三B 取る |
第四 聴く |
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一人称単数 | amāveram | dēlēveram | lēgeram | cēperam | audīveram |
二人称単数 | amāverās | dēlēverās | lēgerās | cēperās | audīverās |
三人称単数 | amāverat | dēlēverat | lēgerat | cēperat | audīverat |
一人称複数 | amāverāmus | dēlēverāmus | lēgerāmus | cēperāmus | audīverāmus |
二人称複数 | amāverātis | dēlēverātis | lēgerātis | cēperātis | audīverātis |
三人称複数 | amāverant | dēlēverant | lēgerant | cēperant | audīverant |
現在語幹で不規則活用の動詞
完了語幹を使う活用では基本的に規則的です。
sum | eō | volo | ferō |
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-である | 行く | 欲する | 運ぶ |
fueram | ieram | volueram | tuleram |
fuerās | ierās | voluerās | tulerās |
fuerat | ierat | voluerat | tulerat |
fuerāmus | ierāmus | voluerāmus | tulerāmus |
fuerātis | ierātis | voluerātis | tulerātis |
fuerant | ierant | voluerant | tulerant |
この活用はほぼ規則性を保っているため特に注意は必要ありません。一般によく使われる言葉、変化であるほど不規則なものが多いのですがこの過去完了のように使われる場面が限られるものは規則性を保つことが多いです。