ラテン語の回文

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palindromeとは日本語でいう回文のことで、逆さにしても同じ文となる文章あるいは単語のことです。

  • πάλιν 反対の
  • δρόμος 競争、方向

の二語の複合語です。

日本語の回文との違いは使用している文字の違い(カナとアルファベット)によるものです。日本語の回文の場合一つの仮名つまりモーラで反対にされます。

トマト ↔ トマト

一方palindromeではアルファベット単位で反対にされます。

tomato ↔ otamot

英語で有名なのものはアダムが最初にイブに向けて話した言葉です。

Madam, I’m Adam.
奥様、私はアダムです。
MADAMIMADAM

palindromeではカンマ、ピリオド、アポストロフのような記号や空白は無視されます。

Was it a car or a cat I saw?
僕が見たのは車、それとも猫?
WASITACARORACATISAW

フランス語のものもあります。

Sa nana snob porte de trop bons ananas.
あの高飛車な娘はとても美味しいパイナップルを持っている。
SANANASNOBPORTEDETROPBONSANANAS

ドイツ語のものもあります。

Eine treue Familie bei Lima feuerte nie.
ある誇り高い家族はリマにおいて全く火を使わない。
EINETREUEFAMILIEBEILIMAFEUERTENIE

ポンペイの遺跡からはラテン語の「四角い種まき人」というpalindromeが見つかっています。これは面白いことに二次元のpalindromeになっていて縦方向横方向両方で成立するようになっています。

Sator Arepo Tenet Opera Rotas
種まき人アレポは努力して車輪を持つ

S A T O R
A R E P O
T E N E T
O P E R A
R O T A S

Sator Square at Oppède.jpg
By M Disdero – Taken at Oppede, Luberon, France, CC BY-SA 3.0, Link

(この記事は過去ブログから転載しています。)

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