巫女の予言(15)ドヴェルグのカタログその5

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ドヴェルグ族の一覧は続きます。一族は自分たちの住まいを世界中に求めていました。

テキスト

Þar var Draupnir / ok Dólgþrasir,

そこには金細工師ドラウプニルがいた それと戦いを求めるドールグスラシル

Hár, Haugspori, / Hlévangr, Glóinn,

高きハール、墓を歩むハウグスポリ、 覆われた野原のフレーヴァング、光るグローイン

Dóri, Ori, / Dúfr, Andvari,

穴あけドーリ、羽目外しのオーリ、 鳩のドゥーヴ、そよ風のアンドヴァリ

Skirfir, Virfir, / Skáfiðr, Ái.

唾吐きのスキルヴィル、色染めのヴィルヴィル、良い木のスカーヴィズル、偉大な祖父アーイ

Poetic Edda – Völuspá 15

The Dwarfs at Work.jpg
By George Pearson – Goddard, Julia (1871). Wonderful Stories from Northern Lands. London, Longmans, Green, and Co. This engraving to face page 78. Digitized by the Internet archive, http://www.archive.org/details/wonderfulstories00goddiala, Public Domain, Link

解説

Þar var Draupnir / ok Dólgþrasir,

þarは副詞で「そこに」ですが前スタンザ全体を指していると思われます。「ドヴェルグ族が住まいを探したとき、そこに」と繋がります。varはvera「〜がいる」の三人称単数過去です。Draupnirは動詞 drjúpa「滴る」に由来するとされます。この滴りは暗喩で金細工師を意味すると言われています。
Dólgþrasirは dólgr「敵」と þrasir「怒るもの」の複合語で「戦いを熱望するもの」の意味になります。

Hár, Haugspori, / Hlévangr, Glóinn,

Hárは形容詞 hár「高い」から来ています。Haugsporiは haugr 「墳墓」と spor「足跡」の複合語で「墳墓を行くもの」を意味します。Hlévangr は hlé「避難所」「覆われた」とvangr 「野原」の複合語で「覆われた野原」、Glóinnは動詞 glóa「光る」から「光るもの」の意味になります。

Dóri, Ori, / Dúfr, Andvari,

Dóriは由来が定かではありませんが「錐で穴を開ける人」の推測がされています。Oriは動詞 óra「羽目をはずす」から、Dúfrは女性名詞 dúfa 「鳩」に由来しています。Andvariは「そよ風」と「注意深い」の両方の推測がされています。

Skirfir, Virfir, / Skáfiðr, Ái.

Skirfirは動詞 skirpa/skyrpa「唾を吐く」にVirfirはSkirfirとの語呂合せと言われていますが古フリジア語の verver「染める人」との関係が挙げられています。
Skáfiðrは現代アイスランド語の「薄板」や skár「開いた」「良い」とviðr「木」の複合語などが由来と考えられています。Áiは「偉大な祖父」を意味します。

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