ラテン語の言葉:エージェント・アクション・アジェンダ・ナビ

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ラテン語からきた言葉

ラテン語の動詞は様々な形に変化します。人称、数、時制、態(自発的か受け身か)、法(事実か仮定か)などの違いで100以上の変化をします。また分詞になると形容詞のように性と数と格で変化します。ラテン語から英語やカタカナ言葉になっている言葉同士で実は同じ単語に由来することに気づかないものがあります。
英単語はラテン語の変化した後の形から別々に取り込まれて使われることもあります。今日はその一つを取り上げたいと思います。

ago 私は行う

ラテン語の動詞の辞書での見出しは英語のような不定形ではなく1人称単数現在能動態直説法という形です。「私は〜する」というシンプルな形だと理解すれば問題ありません。

エージェント agent

直説法現在三人称複数 「彼らは行う」からきています。現在の英語では「代理人」の意味になっていますし、ドラマによく出てくるFBIの捜査官もエージェントと呼ばれていますね。

アクション action

過去受動分詞actus「行われた」に動作を意味する接尾語-tioが付加された形からきています。「行われること」「行為」

アクター actor

過去受動分詞actus「行われた」に動作主を意味する-torが付加された形からきています。 「行う人」「俳優」

アクトレス actress

上のactorに女性を意味する接尾辞-essがついて「女優」の意味になりました。アメリカではポリティカル・コレクトネスの問題からこの接尾辞-essが排除される傾向があります。

アクチュアル actual

過去受動分詞actusに形容詞化させる接尾辞-alisが付加され「行為に関する」という意味から「現実の」という英語になっています。

アクティブ active

過去受動態分詞actusに形容詞化させる接尾辞-ivusが付加され 「行為に属する」「行為の性質を持つ」から現在の「能動的な」という意味につながっています。

アジェンダ agenda

この言葉のもとになるラテン語の変化はちょっとわかりにくいかもしれません。未来受動分詞主格中性複数という変化で意味は 「行われるべき事柄」となります。ビジネス用語で「予定案」「議事事項」などの意味を持ちます。

ナビゲーション navigation

船を意味するnavisの奪格単数navi「船によって」がagoの前についた動詞がnavigoで 「船で行う」つまり「 航海する」という意味になります。navigationはこれの過去受動分詞にnavigatusに動作を意味する接尾語-tioが付加された形です。日本語ではナビと略されていますがこれは元のラテン語でいうと「船」の部分だけになっています。

イグザクト exact

「外に対して」を意味する接頭語ex-にagoがついた動詞exigo「外に対して行う」「検査する」の過去受動分詞exactusに由来しています。「検査された」結果なので「正確な」という意味になります。

アンビギュアス ambiguous

「周囲に対して」を意味する接頭語ambi-にagoがついた動詞ambigo 「周囲に対して行う」「うろうろする、ためらう」に形容詞化の語尾-uusがついたambiguusに由来しています。うろうろしたりためらったりした結果なので「曖昧な」の意味になります。
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