ラテン語の名詞変化:第二変化形(1)

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名詞の第二変化形あるいは第二曲折形は男性と中性名詞の二つのパターンがあります。主格、呼格、対格でこの二つの間で違いが出てきます。また第一変化形の女性名詞と変化形に共通点があります。

第二変化形の名詞

男性名詞はcolōnus, -ī, m.「農民」、中性はbellum, -ī, n.「戦争」の変化を下に書きます。

男性 中性
colōnus colōnī bellum bella
colōne colōnī bellum bella
colōnum colōnōs bellum bella
colōnī colōnōrum bellī bellōrum
colōnō colōnīs bellō bellīs
colōnō colōnīs bellō bellīs

少し観察してみてください。また第一変化形とも近いところがあるのでこちらも合わせて比較してみてください。

第二変化形の特徴

男性 中性
-us -um -a
-e -um -a
-um -ōs -um -a
-ōrum -ōrum
-īs -īs
-īs -īs

対格単数、属格と与格と奪格の単複で男性と中性の変化が同じ

表の下半分と対格単数で男性と中性が同じになっています。これが第二変化形にまとめられている理由です。また第一変化形と比較すると与格奪格の複数の形は同じですし属格複数も-ārumと-ōrumと似ています。

中性名詞は主格と呼格と対格が同じ

中性は生命を持たないものや抽象的なものを指すことが多いので主格「〜は」と対格「〜を」に変化がありません。主格になる可能性が男性名詞や女性名詞に比べ低いためです。一方男性名詞や第一変化形の女性名詞は単数でも複数でも行動を起こす主体と目的に使われる対格には違いがあります。

また主格呼格対格複数は終わりが必ず-aで終わります。

この規則を覚えておくと中性名詞の変化は覚える変化がぐっと減ります。

男性名詞で呼格単数が主格単数と異なる

他の変化形では呼格は主格と同じ形なのですがここでは異なります。カエサルが暗殺されたときのセリフとされる”Et tu, Brute”「ブルータス、お前もか」のBruteもBrutusという名前の呼格になります。

男性の属格の単数、主格と呼格の複数は同じ

これらは-īで終わり見分けがつきません。これは第一変化形の女性名詞の-aeでも同じような傾向がありました。主格複数の場合は対応する動詞が複数形の変化でなければいけません。もし動詞が単数形であればこの可能性は排除できます。

主格中性複数について

同じく-aで終わっている第一変化形の主格単数と見分けがつきません。これらを見分けるには動詞が単数か複数かをみます。複数であれば主格中性とあたりをつけられます。

与格と奪格が同じ

これも第一変化形と同様で複数で同じで、さらに単数でも同じになっています。頻度としては奪格のほうが多いと思います。

ラテン語の名詞変化:第二変化形(2)

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