古ノルド語について(1)

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古ノルド語とは

古ノルド語は英語でOld Norseと呼ばれ現在のアイスランド語、ノルウェー語、スウェーデン語、デンマーク語、フェロー語のもとになっています。ヴァイキングが活躍していた時代、古ノルド語はスカンジナヴィアと海を隔てた植民地でノース人によって話されていた言葉です。ヴァイキングの物語や北欧神話は古ノルド語から派生した古アイスランド語で書かれています。

Norse、Nordenは「北の」という意味で英語のnorthと同じ由来の言葉です。スキーのノルディックはノース人式のスキーのことです。

中世になり古ノルド語話者は自分たちの言葉を「デーン人、デンマークの言葉」dönsk tungaと呼んでいました。古ノルド語はなにもデンマークだけの言葉ではありませんでした。しかし当時のデンマークが影響力の大きい王国だったこと、フランク王国などキリスト教圏から見てスカンジナヴィアの中で一番手前に位置することを考えると自他共に認めやすい呼び方だったのかもしれません。

英語との関係

アングロサクソン人の使っていた古英語とは非常に似通っていて少しの努力でお互いに意思疎通ができたそうです。これは古英語と古ノルド語が同じゲルマン祖語から派生した言語同士であることやヴァイキングの影響が広い範囲に行き渡っていたことを示しています。ゲルマン祖語の存在は確認されていませんがヴァイキングよりずっと昔の時代、紀元前5世紀から紀元1世紀が想定されています。

現代アイスランド語との関係

現代アイスランド語からみて古ノルド語や古アイスランド語は非常に近いものです。多くのヴァイキングの物語や神話は中世のアイスランドで古アイスランド語で書かれました。それが基準となりアイスランド語自体があまり変化しなかったようです。アイスランドはスカンジナビアから1000キロ離れた島なので外の影響を受けにくかったのでしょう。そのため古ノルド語を学ぶには現代アイスランド語を通して学ぶのは確実な方法です。

古ノルド語の概要

古ノルド語はゲルマン語派のうち、北ゲルマン語派に属しています。その他には西ゲルマン語派というものがありこちらは英語やドイツ語やオランダ語につながります。北ゲルマン語派は原古ノルド語 Proto Old Norseとも言われています。

時代が下るにつれてこの原古ノルド語は古西ノルド語Old West Norseと古東ノルド語Old East Norseに分かれます。古西ノルド語はアイスランド語やノルウェー語につながり、古東ノルド語はデンマーク語やスウェーデン語につながります。

この違いはデンマークやスウェーデンがバルト海の沿岸の低地ドイツ語Low Germanの影響を強く受けていることからきています。一方ノルウェーのほとんどの地域はバルト海から遠いですし、アイスランドはさらに離れています。この事から古西ノルド語のほうが忠実に原古ノルド語の形を残していたと言えます。

古ノルド語について(2)

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