古ノルド語について(2)

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古ノルド語について(1)より続きます。

古ノルド語のその後

アイスランドに植民したのはノルウェーからきた人でした。12世紀のことです。ノルウェーの人の話す古西ノルド語がアイスランドにも伝わった事になります。

アイスランド人は自分たちの祖先の活躍を書き留めました。これがサガ Sagaと呼ばれるヴァイキングの物語です。このSagaという言葉は「語られたもの」という意味で英語のsayやドイツ語のsagenという共に「言う」という意味の動詞と同じ由来になります。

15世紀の終わりまでは西の古アイスランド語と古ノルウェー語、東の古デンマーク語と古スウェーデン語はお互いに理解し合えるものでした。しかし現在のノルウェー語、デンマーク語、スウェーデン語は古ノルド語から大きく変化してしまいました。低地ドイツ語と英語の影響を強く受けたためです。古ノルド語にあった文法が失われて音も変化しました。

一方で現代のアイスランド語は忠実に古ノルド語を引き継いでいきました。現在のスカンジナヴィアの人々はお互いに意思疎通できるのに対して祖語に近いはずのアイスランド語は皮肉にも理解が困難な状況となっています。

英語と古ノルド語で同じ由来を持つ単語の例

現代の英語はその単語の3割近くがフランス語やフランス語経由の他言語と言われていますが一方でまだ多くの言葉がゲルマン祖語に由来しているといわれています。以下古ノルド語と英語とドイツ語で同じ意味を持つ言葉を比較してみます。

古ノルド語 英語 ドイツ語
sonr son Sohn
skip ship Schiff
konungr king König
vápn weapon Waffe
hönd hand Hand
bróðir brother Bruder
land land Land
dagr day Tag
koma come kommen
segja say sagen
vilija will wollen
hafa have haben
gefa give geben
láta let lassen

他にも「恐喝する」の意味を持つblackmailの-mailは郵便とは関係なく、スピーチを意味する古ノルド語のmálと同じ由来だとされています。このように複合語でのみ保存されているゲルマン語は語彙が入れ替わってしまった現代英語でも見つかるようです。

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