接続法は動詞の法 moodの一つで主に従属節で使われます。ラテン語でsubjunctīvus、英語でsubjunctive、フランス語でsubjonctifとラテン語の派生語がそのまま当てられています。subjungereというラテン語の動詞は「下につながる」という意味で日本語の文法用語で見られるような「従属」「接続」という言葉は適切な訳だと思われます。
接続法の時制
直説法と違い接続法には未来の時制がありません。
直説法 | 接続法 | |
---|---|---|
現在 | 有 | 有 |
不完了 | 有 | 有 |
未来 | 有 | 無 |
完了 | 有 | 有 |
過去完了 | 有 | 有 |
未来完了 | 有 | 無 |
今回は現在能動態を見ます。
直説法と接続法の語尾の比較
第一活用形は語幹の-a-が-e-に変わります。それ以外の活用では語幹と人称語尾の間に-a-が付きます。二人称単数、一人称複数、二人称複数でこれらは長母音になります。
直説法 | 接続法 | ||
---|---|---|---|
第一 | 他 | ||
一人称単数 | -ō | -em | -am |
二人称単数 | -s | -ēs | -ās |
三人称単数 | -t | -et | -ātur |
一人称複数 | -mus | -ēmus | -āmus |
二人称複数 | -tis | -ētis | -ātis |
三人称複数 | -nt | -ent | -ant |
規則活用の動詞
- 第二活用の語幹の-e-と第四活用の語幹の-i-は全て短母音になります。
- 一人称単数の人称語尾は-mです。
第一 愛する |
第二 壊す |
第三A 読む |
第三B 取る |
第四 聴く |
|
---|---|---|---|---|---|
一人称単数 | amem | dēleam | legam | capiam | audiam |
二人称単数 | amēs | dēleās | legās | capiās | audiās |
三人称単数 | amet | dēleat | legat | capiat | audiat |
一人称複数 | amēmus | dēleāmus | legāmus | capiāmus | audiāmus |
二人称複数 | amētis | dēleātis | legātis | capiātis | audiātis |
三人称複数 | ament | dēleant | legant | capiant | audiant |
注意する点
第三第四活用の一人称単数
legam、capiam、audiamは接続法現在能動態での活用と全く同じなのでどちらであるかは文脈や文法上の決まりによって判断する必要があります。
Quid dicam ?
- 私は何を言うのだろう?(直説法未来)
- 私は何を言い得るのか?(接続法現在)
不規則活用の動詞
-である | 行く | 運ぶ | 欲する |
---|---|---|---|
sim | eam | feram | velim |
sīs | eās | ferās | velīs |
sit | eat | ferat | velit |
sīmus | eāmus | ferāmus | velīmus |
sītis | eātis | ferātis | velītis |
sint | eant | ferant | velint |
注意する点
sumについて
sumはsimとなります。sumの複合語もこれと同じ変化をします。
- possum「-できる」は頭にpotをつけます。pot + sim = possim
- prosum「有用である」は頭にprodをつけます。prod + sim = prōsim
eoについて
語幹e-に第三活用と同様の規則変化をします。
feroについて
語幹fer-に第三活用と同様の規則変化をします。語幹は直説法現在と同じです。
voloについて
語幹はvel-に-i-がつきます。nolo「拒む」はnol-i-となりmalo「より好む」はmal-i-となりvoloと同様の変化をします。