巫女の予言(28)隠されたオーディンの片眼:2

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オーディンに話しかけられた女性、おそらくvolva「巫女」はこのように答えます。

テキスト

allt veit ek, Óðinn! / hvar þú auga falt:

すべてを私は見通している オーディンよ! そなたがどこにその片眼を落としたのかを

í inum mœra / Mímis brunni;

偉大な片眼はその中に ミーミルの泉の中に

drekkr mjöð Mímir / morgin hverjan

ミーミルはハチミツ酒を飲む いつもの朝に

af veði Valföðrs. / Vituð ér enn eða hvat?

それはヴァルファズルの担保から流れ出ている — 知っているね?

Poetic Edda – Völuspá 28

Odin at the Brook Mimir.jpg
By John Angell James Brindley (1859/1860-1937) – Pitt, Ruth J. 1893. The Tragedy of the Norse Gods. T. Fisher Unwin. Frontispiece. Page 82. Digitized by Google Books., パブリック・ドメイン, Link

解説

allt veit ek, Óðinn! / hvar þú auga falt:

alltは形容詞 allr「すべて」の対格中性複数、ek veitで現在形「私は知っている」となります。

hvarは場所を表す疑問副詞、þúは人称代名詞の二人称単数、augaは中性名詞auga「目」の対格単数です。faltは変化の形が不明ですが動詞 falla「落ちる」からきていておそらく三人称単数過去または過去分詞の対格中性単数でaugaと一致します。

í inum mœra / Mímis brunni;

brunniは男性名詞 brunnr「泉」の与格単数で、inumは定冠詞の与格男性単数です。í inum brunniで「その泉の中に」という意味です。

mœraはmeiraのスペル違いでmikill「偉大な」の比較級で中性単数です。この行に中性の単語はなく前の行のaugaのみが一致しえます。

Mímisは巨人 Mímir ミーミルの属格です。ミーミルは賢さで知られています。

drekkr mjöð Mímir / morgin hverjan

drekkrは動詞 drekka「飲む」の三人称現在で主語はMímirです。mjöðは mjǫðrの対格で「ハチミツ酒」の意味になります。

morgin hverjanは対格男性単数で「毎朝」の意味です。

af veði Valföðrs. / Vituð ér enn eða hvat?

最後の1行は第27スタンザと全く同じです。ただし今回は説明があったため「ヴァルファズルの担保」という泉がどんなものかわかります。

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