古代の画家アペレス(7)プロトゲネスその2

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プロトゲネスの不在中に訪ねて来たアペレスに老婆が話します。

haec foris esse Protogenen respondit interrogavitque, a quo quaesitum diceret.

彼女はプロトゲネスは外出中だと答え、誰による訪問であったと伝えれば良いかを尋ねた。

文の骨組みはhaec respondit interrogavitqueで「彼女は答えそして質問した」になります。-queがつくとその前にatque「そして」がつくのと同じ意味になります。

答えた内容は不定句で主語が対格で、その動作が動詞の不定法で表現されます。ここでは対格 Protogenen「プロトゲネス」が主語で不定動詞 esse「〜である」が動作を表し副詞foris「戸外に」がそれを補完しています。

聞いた内容は関節疑問文でa quo「誰によって」、diceretは三人称単数半過去接続法で「言うべきである」 quaesitumは「訪問」でおそらく省略されているesseと合わせて不定句になっていると思われます。

« ab hoc, » inquit Apelles adreptoque penicillo lineam ex colore duxit summae tenuitatis per tabulam.

「これによってだ」とアペレスは言い、絵筆をとって絵の板の上を非常に細い線を色を使って引いた。

a quo「誰によって」の質問の答えがab hoc「これによって」になります。inquitは三人称単数完了で「言った」です。

adrepto penicilloは絶対奪格で「絵筆が掴まれた」という受動態の意味ですが能動態に直して「彼は絵筆を取り」とした方が現代的です。

linam duxitは「彼は線を引いた」、ex colore「色を使って」、summae tenuitatis「非常に細い」は属格で「線」の性質を表します。per tabulamは「絵の板を通して」となります。

et reverso Protogeni quae gesta erant anus indicavit.

そして帰宅したプロトゲネスに対して老婆は留守中にどんな出来事があったかを示した。

reverso Protogeniは与格で「帰ってきたプロトゲネスに対して」、anus indicavitは「老婆は示した」、quae gesta erantは「どんな出来事があったか」になります。

indicavitは動詞 indico「示す」の三人称単数完了で英語のindicateにつながる動詞です。「話した」のではなく「示した」と記述されているのは間違い無くアペレスの書いた線をプロトゲネスに見せたからでしょう。

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